裏次元の一日

マンガ・アニメを研究したり分析したり考察したりしてなかったり。

「近親相姦」タグのついた記事一覧

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蛇比礼

Category:山岸凉子

蛇比礼(へみのひれ)
1985年

鏡よ鏡…(ぶ~けコミックス ワイド版)』(集英社)
山岸凉子恐怖選〈4〉汐の声(ハロウィン少女コミック館)』(朝日ソノラマ)
自選作品集 月読(文春文庫ビジュアル版)』(文藝春秋)
に収録。



「知ってる? 虹がかかるのは龍が空へ昇る姿だというのを」

父親が死に、孤児となった少女・相馬虹子(にじこ)は叔母の家に引き取られた。
しかし、気のふれた父に育てられた虹子は、その異常なまでの妖艶さで周囲を狂わせていく。


あからさまに危険なオーラを放つロリータもの。
子供の頃、家の本棚にこの作品が入った『月読』があって、これを初めて読んだ時は私もまだ子供だったのですが、「これはなんかイケナイマンガだ」と思って、コソコソ読んでました…。(ていうか『月読』での収録順が蛭子→蛇比礼→月読という子供には強烈すぎるコンボだった…)
同じくロリ子の『星の素白き花束の…』の夏夜ちゃんよりさらに7歳も若い、8歳の虹子ちゃんが妖しすぎる…! ほんとに小学校行ってんの!?

本当に85年〜86年あたりの山岸作品は何だか神がかって恐ろしい作品ばかりだなぁ…。
他も、星の素白き〜とか蛭子とか馬屋古とか時じくの〜とか常世長鳴鳥とかわたしの人形〜とか瑠璃の爪とか鏡よ鏡とかでしょ?
山岸先生、変な方向に脂乗ってます。この年代。
何だっけ、この頃って山岸家の鬼門が開いてた頃だっけ…? 違うか。(←全集17巻末のインタビューを取り出して確認)

黒い着物に切れ長の一重、妙に大人びた口調の妖艶な美幼女(※ただし主食は生卵)・虹子が現れてからというもの、従兄の男子高校生・達也は淫猥な蛇に呑まれる夢ばかり見る。
真っ白でヒンヤリ冷たく、スベスベした長いもの…それを虹子の細い体と重ね、徐々に虹子をまともな目で見られなくなっていく達也。
虹子の、熱いお風呂を嫌がる、食事を取らない、生卵を大量に飲むなどの異常な点も気にはなったが、達也がそれ以上に気になるのは、母の恋人の平山がいやに虹子になれなれしいことであった。そして…。

虹子? なんでおまえが!?

「大好き達也さん 平山さんよりもパパよりも」

パパ? こんな事を自分の父親ともやったのか

気のふれた虹子パパは蛇神信仰でもしてたのかなぁ…。
そして、食の嗜好がおかしいという点は虹子ちゃんも夏夜ちゃんも共通事項なのか。不気味。

同じようなロリータ居候話『星の素白き~』の夏夜ちゃんみたいに「頭おかしい父親に間違った倫理観を植え付けられてしまった少女」という悲哀は、虹子ちゃんがあまりに人間らしくないせいで(ほぼ蛇)あまりないのでその点は安心。
ママと酒井真弓はちょっとかわいそう。ママも完全にいい人なわけじゃないけど、息子のことはそれなりに気にかけてたみたいだし。真弓ちゃんに至ってはマジで立場ないよね。ていうかこの話、虹子以外の女立場ない。

最後の方の、虹子との情事に明け暮れてゲッソリしてる達也が、昭和の「自涜ガ青少年ニ与エル悪影響ノ図」みたいでちょっと笑いました。
それにしてもカジュアルな服を着だした虹子のガッカリ感ったら。

…最近、山岸作品記事に「エロス」「自慰」タグを増やそうかと真剣に考えている。
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月読

Category:山岸凉子

月読(つくよみ)
1986年

牧神の午後』(朝日ソノラマ)
自選作品集 月読(文春文庫ビジュアル版)』(文藝春秋)
山岸凉子スペシャルセレクション〈3〉神かくし』(潮出版社)
に収録。



「いくら瘢痕が美しくとも 姉上は私のこの青白い肌がお嫌いだ」

神々の住まう高天原。暗い夜の神・月読(ツクヨミ)は太陽神である天照(アマテラス)を慕っているが、天照はいつも風の神・須佐之男(スサノオ)ばかり可愛がり、月読には冷たかった。
天照や須佐之男のように明るい男になりたいと願う月読は、愛してやまない天照のために精一杯尽くすが…。


古事記ではあんまり目立ってなかった月読命にスポットを当てたお話。
どこまでも姉ラブな月読がけっこう好きです。美形だけど暗く冷たい顔なのを気にしてる(姉上がそういうの嫌いだから)とか、姉上が好きだって言ってたから金糸の衣着たよとか、暗い男の報われない恋心がツボなんです。かわいそうな月読…。嫌われてるって知っていながらも慕わずにはいられないことがあるのよね。…厩戸王子の母親への感情思い出したら泣けてきた。

太陽のように明るい天照。天照に気に入られてる一見無邪気な童顔野郎・須佐之男。二人は明るさも嗜好も似ている仲良し姉弟。一方、生まれながらに「陰」の月読は「陽」の二人の間に入れない…。
童顔の須佐之男くんは実はけっこう腹黒で暴力的な奴なのですが、天照もそれを知ってるようなのに、私のわがままな坊や可愛い!みたいなかんじで可愛がってます。天照が月読を嫌いなのは、同じ空を掌る者としていつか取って代わられるかわからないという理由もありました。

そんなことも知らない月読はうっかり保食神を殺してしまったことを謝りに行った際、天照と須佐之男の情事を見てしまい、逆上して馬の生皮を投げ込んでしまいます(どういうキレ方だ)。有名なシーンです。
月読もこのへんで姉上に愛想を尽かしていればいいものを、天岩屋戸にこもった天照を見て「やっぱり須佐之男とのことは一時の気の迷いだったんだ!」とか思っちゃって…、ほんとかわいそうな月読。

大騒ぎになった高天原。しかし天照は須佐之男にすべての罪を被せてちゃっかり汚名返上に成功してしまいます。すごいよ天照姉さん。無敵だよ。月読も天照のこういう「絶対的強者」っぷりが好きなのかな? 少しわかる気がする。天照のどこまでもしたたかな性格、魅力的に見えるもん。

私はもう 姉上の女の腥さに翻弄されて
へとへとに疲れはててしまった


天照大御神が最強、というお話でした。

ところで保食神のお酒ってあれ愛○じゃないの? 排泄物のうちに入るんでしょうか?

星の素白き花束の…

Category:山岸凉子

星の素白き花束の…(ほしのましろきはなたばの)
1986年

わたしの人形は良い人形(あすかコミックス)』(角川書店)
自選作品集 ブルー・ロージス(文春文庫ビジュアル版)』(文藝春秋)
山岸凉子スペシャルセレクション〈5〉天人唐草』(潮出版社)
に収録。



「ねえ 聡子姉さんにもパパはあれをしてくれた?」

亡くなった父の愛人の娘(異母妹)を引き取ることにしたイラストレーターの聡子
初めて会う異母妹の夏夜(かや)は中学3年生。
夏夜は聡子のイラストから抜け出てきたような可憐な美少女だったが、異常なほど無口で陰気で偏食、そして男にだけはやたら愛想が良い奇妙な娘だった。


山岸作品に多そうで実はそんなにはない魅惑のロリータ話。
目に入る男全てに媚びを売り、レトルト食品と極度に甘いものしか食べない美少女・夏夜がなんとも不気味。
通りすがりのブ男にも流し目をくれるあたり、筋金入りなかんじがします。
夏夜は何ていうか、見た目は妖精なのに中身は妙に安っぽいというか俗っぽいところがポイントですね。『痴人の愛』のナオミのような。真っ白なレースとフリルの下から仄見える劣悪な臭い…。
その姉の聡子さんが「その少女趣味とは裏腹に、身長170ある大柄な女」というところが泣けます…。

最初は「美しい自慢の妹ができた」と喜んでいた聡子も、やがて妹の奇妙な行動に不安を抱きます。

「パパはあれをあたしだけにしてくれたんだわ。
夏夜はきれいきれいきれいだって!」


…合意の上どころか得意げな近親相姦。本人は嬉しそうだからいいか。
いや、父親のせいで倫理観がおかしくなってるんだからやっぱり可哀想ですね…。

この話の夏夜ちゃんは中学生、同じく「ある日やって来た居候が淫らなロリータだった」というストーリーの『蛇比礼』の虹子ちゃんは小学生なわけですが、この二人の学校生活がすげー気になります。体育とか掃除の時間とか微塵も想像できない(笑)

あ、タイトルはステファヌ・マラルメの詩「あらはれ」から来てるらしいです。

あと思ったこと。絵柄変えたあとの聡子のイラスト、人気出なそう!

スピンクス

Category:山岸凉子

スピンクス
1979年

スピンクス(花とゆめコミックス)』(白泉社)
山岸凉子作品集〈7〉傑作集1 スピンクス』(白泉社)
山岸凉子全集〈27〉クリスマス(あすかコミックス・スペシャル)』(角川書店)
山岸凉子恐怖選〈3〉千引きの石(ハロウィン少女コミック館)』(朝日ソノラマ)
自選作品集 ハトシェプスト(文春文庫ビジュアル版)』(文藝春秋)
山岸凉子スペシャルセレクション〈4〉甕のぞきの色』(潮出版社)
に収録。



その頃僕は魔女の館に住んでいた

「僕」は魔女の館に住んでいた。「僕」は真っ白な部屋に来る日も来る日も立っていた。
毎日毎日「スピンクス」がやって来て「僕」に質問をする。声も出ず体も動かせない「僕」は「スピンクス」に弄ばれる。


山岸作品は父親・娘の近親相姦を描いた作品はやたら多いですが、この作品は珍しく母親・息子の癒着を描いています。
「しゃべりたいのにしゃべれない」「動きたいのに動けない」「紙でできた食べ物を無理矢理食べさせられる」「ぐっしょり濡れた毛布」など、「僕」=アーチーの悪夢が本当に感覚的で気持ち悪い。

どぎつい顔に大柄な裸体、尖った赤い爪を持ったライオンという、アーチーの恐怖を具象化したような「スピンクス」として登場するのは彼の母親。ねめ回すような目つきがいやらしい。
スピンクスが作った紙人形がアーチーの体を舐め撫で回すシーンはかなり性的なイメージ。

恐怖と嘔吐しそうな嫌悪で一杯になりながら
僕は彼女に抱かれる

地獄だ地獄だ!
(それでも彼女の腕は暖かい)
声があるなら叫びたい 涙があるなら泣きだしたい
(それでも彼女の胸は暖かい)


後半は壁画の中(病院)。母親がスピンクスだったり病院がエジプト壁画だったり、アーチーの精神世界はエジプト仕様。
ある男の人が出てきてアーチーに優しく話しかけてくれるのですが、アーチーは恐ろしいスピンクスの言うとおり、その人を無視しなければいけません。
自分を助けてくれそうな男の人に感情が伝わらないことに心底悲しむアーチー。

「おまえが生きていけるのはここだけ。
おまえが生きていけるのは この私とだけよ」


淫らな母親と子宮の中の胎児、ドアの外の開かれた宇宙…の絵がなんかすげー!

この話は冒頭からアーチーの心地悪い目線でずっと進んでいたので、アーチーが優しい男の人・ブロンクス医師に気持ちを伝えることに成功するハッピーエンドでよかった!

「あのスピンクスはだれ?」
「あれはきみの愛情と憎悪 不安・混乱」
「なに? なんて言ったの」
「ううん きみの不安がああいった形で見えたんだよ」

あの陽光の中に時々かげって見えるのは あれは…
そうだ 今は少しもおそろしくない魔女……スピンクス


光溢れる、妙に爽やかな終わり方が印象的です(同じ近親相姦話でも父娘系はけっこう気味の悪いかんじで終わる作品が多い気がするので…)。

時じくの香の木の実

Category:山岸凉子

時じくの香の木の実(ときじくのかくのこのみ)
1985年

時じくの香の木の実(あすかコミックス)』(角川書店)
自選作品集 夜叉御前(文春文庫ビジュアル版)』(文藝春秋)
山岸凉子スペシャルセレクション〈6〉夏の寓話』(潮出版社)
に収録。



「それを食べるのです。それを食べるとおまえ達のどちらかが
永遠に年を取らない者になります」


正妻の娘・日向(ひゅうが)、妾の娘・日影
ほぼ同時に8歳になった二人は、巫女である大叔母の屋敷に連れてこられ、どちらが跡継ぎとなるかが試される。差し出されたのは奇妙な果実…。
聴覚と引き換えに巫女になったのは日向だった。日向はそれ以来年を取らず、何年経っても幼女のまま、予言能力を持つ巫女として一族の頂点に君臨するのだが…。


私が一番最初に読んだ山岸マンガです。
かなーり暗い救いのない不老不死もの。山岸マンガらしく、誰も幸せになりません。
あと、着物がいっぱい出てきてキレイ。

いつまでも我儘な子供のままの日向、女として成熟した体を持てあます日影。対称的な二人の描写が見事ですよね。日影が自らを慰めるシーンが艶めかしい…。

なんだか性格の悪い日向はとにかく腹違いの姉の日影を嫌悪しますが、
醜く肉のついた大人の女の体を持つ日影は、日向が愛してやまない長兄と関係を持ってしまう。
そして日向は「永遠に年を取らない」の本当の意味を知る…。
衝撃的ですね、このシーン。何故今まで気づかなかったのか。

日向という存在は計画されていたものだったのか? 日向も思ってるように、そこが私も気になります。「神」と、その神の声を聞く「巫女」がいるなら結局二人必要だよなぁ…。

幼女に奉られる供物とか、突然壊れる廊下とか、全体的に不気味な雰囲気満載の作品。
またこの、日向が聴覚を失ってるせいで作品全体の空気を浸す静寂(日向以外誰も台詞を発しない)が妙に不安感をかき立てるんだ…。こういう「落ち着かないかんじの空気」を描かせたら山岸先生は日本一ですね。

日向のモノローグと台詞だけで進んでいた物語は、同じく日向の怖いモノローグで終わります。
「黄泉比良坂」もそうだけど、死者の一人称で話が進むのがすごいと思うんですよ…!

永遠に8歳のまま成長することもなければ衰える事もないわたしを
誰かが不安に思っているようですが…
バカにしないで
わたしの分別まで8歳というわけではないのだから


バックのキノコ雲が怖い!




*****
こんな話を見つけたので少し書きます。
ネタバレ注意。


「死んだ子供がその家の福の神になる」という言い伝えがあります。
だいぶ昔ですが、豪家や旧家では、死んだ子(の魂? 霊?)を手厚くもてなして、家の一画に子供部屋を作って食事や玩具も供えるという風習がありました。
その子がいる限りその家は安泰するという、いわゆる座敷童です。

日向もこの類の「神」になったんじゃないかと…。
うわー、実際の話とリンクさせるとなんか余計怖い!

「古い屋敷を取り壊す作業中、ドアのついてない座敷牢のような子供部屋が出てきた」ということもあったらしいです。使った形跡のない埃まみれの子供部屋……怖!

私がゾッとしたのは、
その子供に「体(魂の器)」として「お人形」を与えるという話。
日向が、自分がもらったと思って喜んでる(最後のページでも抱いてる)市松人形は、もしかしたらそれ用だったんじゃあ…。

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柿丸

柿丸
文化人類学的観点からマンガを研究したいただのマンガ好きです。データ収集が趣味。
ジャンプ歴10年でしたが2016.3に一旦卒業しました。
マンガの感想は基本的にネタバレです(どうせ古いマンガしか感想書かないので)。

【新刊追ってるマンガ】
アオイホノオ
おいピータン!!
大奥
カルバニア物語
きのう何食べた?
海月姫
たそがれたかこ
トクサツガガガ
ドリフターズ
ドロヘドロ
HUNTER×HUNTER
etc.

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