裏次元の一日

マンガ・アニメを研究したり分析したり考察したりしてなかったり。

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ドロヘドロ

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ドロヘドロ(BIC COMICS IKKI)
林田球
月刊IKKI(小学館)

ドロヘドロ 2 (BIC COMICS IKKI) ドロヘドロ 3 (BIC COMICS IKKI) ドロヘドロ 4 (BIC COMICS IKKI) ドロヘドロ 5 (BIC COMICS IKKI) ドロヘドロ 6 (BIC COMICS IKKI) ドロヘドロ 7 (BIC COMICS IKKI) ドロヘドロ 8 (BIC COMICS IKKI)



ジャケ買いだったのにすごい面白くてハマっちゃいました。今年一番の大当たり!

魔法使いにトカゲ頭にされた記憶喪失男・カイマンが友人のパワフル美女のニカイドウと一緒に、本当の顔と記憶を取り戻すべく戦うお話。あとギョーザもめっちゃ食う。

「魔法使いの犠牲になる人々の町で、記憶喪失の男が本当の自分を探す」という設定は最初『銃夢』とちょっと似てるなーと思ったんですが、キャラクターの良さと小ネタの面白さでは銃夢より好きです。すげー面白い。
あっさり人が死んだり虫にされたり輪切りになったりとグロなシーンもあるのに、絵本みたいな演出がすごいツボです。こういう雰囲気好きだー。
私はこの林田球というマンガ家さんを今まで知らなかったんですが、この人の描く殺伐としたメルヘンチックとブラックな笑いにはたちまちハマりました。

「魔法使いの町」の人々はほとんどみんな魔法を使えるので、当然「魔法バトル」になる場面も多いのですが、私的に素晴らしいなーと思った点は「魔法使いたちが能力に依存しすぎずにちゃんと肉弾戦も繰り広げる」ところです!
少年マンガの能力バトルものなんか読んでると「オマエその状況ならもう普通に包丁で刺せよ!」と思うこともしばしばですが、このマンガでは実際にそれを実行してくれます。

「何でも生きたままバラバラにする能力」を持つ心。→でもカナヅチで敵を滅多打ちにします。
「傷を回復させる治癒能力」を持つ能井。→でも手刀で敵を縦に真っ二つにします。
「時を操る能力」を持つ二階堂。→でも長刀で敵の脳みそをぶち撒けます。

便利な魔法が使えても肉弾戦をおろそかにしない…そこをすごく評価したい。
特に能井ちゃんは能力が女キャラにありがちなフツーの「治癒系」なのに、ボディビルダー並の体格を持ち、純粋な腕力は作中最強クラスの屈強な戦闘狂(しかも俺女)。すげー斬新です。身長2メートル超す回復担当て。
ついでに、特殊能力を持つ「魔法使い」と、それに対抗するただの人間・カイマンとニカイドウがナイフや素手でちゃんと互角に戦えている…という点もバトルとしてポイント高いです。「特殊能力を持ってないキャラはどうがんばっても戦力外」みたいなマンガは何となく好きじゃないので。

そんな数々の要素が私の心をとらえた『ドロヘドロ』、以下感想文です。
面白いので全巻感想書いたらクソ長くなってしまった。重いです。

寄生獣

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寄生獣(アフタヌーンKC)
岩明均
全10巻
月刊アフタヌーン(講談社)

寄生獣(2) (アフタヌーンKC (29)) 寄生獣(3) (アフタヌーンKC (36)) 寄生獣(4) (アフタヌーンKC (40)) 寄生獣(5) (アフタヌーンKC (45)) 寄生獣(6) (アフタヌーンKC (54)) 寄生獣(7) (アフタヌーンKC (64)) 寄生獣(8) (アフタヌーンKC (76))


地球上の誰かがふと思った
『人間の数が半分になったら いくつの森が焼かれずにすむだろうか……』
地球上の誰かがふと思った
『人間の数が100分の1になったら
たれ流される毒も100分の1になるだろうか……』
誰かが ふと思った
『生物(みんな)の未来を守らねば……………………』



あらすじ

ある日、空から多数の正体不明の生物が飛来してきた。その生物は人間の頭に寄生して全身を支配し、他の人間を捕食するという性質を持っていた。寄生後も見た目は人間そのものであった彼ら「パラサイト」は、高い学習能力から急速に知識や言葉を獲得し、人間社会に徐々に紛れ込んでいった。
ごく平凡な高校生・泉新一はその日、眠り込んでいる間にパラサイトの一匹の襲撃を受ける。間一髪で脳の乗っ取りは免れたものの、パラサイトは新一の右腕に寄生してしまう。右手にちなんで「ミギー」と自ら名乗るパラサイトと人間の奇妙な共生生活の幕開けである。


最近読みました。
「なんかグロい」「スプラッタ」という印象だったので今までスルーしてたんですが、読んでみたらすごい面白い! 漫画喫茶でチラっと試し読みだけするつもりだったのに、全10巻一気に読んでしまいました。
人間のエゴ、環境問題、自然と人間、地球のバランス、対立する価値観…。深いテーマです。



知能の高いパラサイト・田村玲子(田宮良子)がめちゃくちゃクールでかっこいい!
名サブキャラだと思います。

「わたしが人間の脳を奪ったとき 1つの『命令』がきたぞ……
“この『種』を食い殺せ”だ!」

「人間」という種を食い殺すという本能を持ったパラサイト。でもパラサイトは人間の脳までしか乗っ取れないので繁殖能力もない。自分たちの存在に疑問を抱く田村。
この田村が実験で産んだ赤ちゃんをいつ食ってしまうかとハラハラしました。その後の結末には号泣。


この作品のいいところは「人間の体を乗っ取る謎の生物『パラサイト』と戦う人間」という、わりと壮大な設定なのに、戦いが決して地球規模にならないところだと思います。

このマンガがもし「週刊少年ジャンプ」に連載されていたら
最終的に「人類全ての命を背負って新一とミギーが『パラサイト』と一騎打ち!」みたいな流れになっちゃうと思うんですよ。そしてアニメ化してコミックスは30巻突破みたいな。
(「少年が右腕を武器にして未知の生物と戦う」という設定だけならバリバリ王道の少年マンガですよね)

そういったスケールの無駄な拡大がなく、あくまで新一の身の回りの出来事しか描かれていないあたり、さすがアフタヌーンだと思いました。あと作者も単行本単位での完成度を重視してたみたいです。本当は全てのマンガがそうであってほしいです。
しかしそんな地域密着型作品(何それ)だからこそ、新一の母さんの死が重いです。
田村玲子が自分の子供を守りながら新一に托し、新一の母に姿を変えるシーンなんか、漫画喫茶で一人ボロ泣きしてしまいました…。



終盤も、パラサイト全滅したぜ!みたいなスッキリした終わり方ではなかったです。
新一が成長しただけで、寄生獣の世界侵略は何も止まってない。だがそれがいい。


あいつらはせまい意味じゃ「敵」だったけど
広い意味では「仲間」なんだよなァ
みんな地球(ここ)で生まれてきたんだろう?
そして何かに寄りそい生きた……



そしてやっぱりこの作品といえばミギーです。
頭良くて丁寧口調でお茶目なミギーかわいいよミギー。


「シンイチ…「悪魔」というのを本で調べたが……
いちばんそれに近い生物は
やはり人間だと思うぞ……」

このミギーの台詞は有名なので読む前からどこかで聞いてて、すごいなと思ってました。寄生獣は名言多い。

消えたはずのミギーが最終話で一度だけ復活してくれたところでまた涙。ミギー!

ある日 道で出会って 知り合いになった生き物が ふと見ると死んでいた
そんな時 なんで悲しくなるんだろう


そりゃ人間がそれだけヒマな動物だからさ
だがな それこそ人間の 最大の取り柄なんだ
心に余裕(ヒマ)がある生物 なんとすばらしい!!


だからなあ……
いつまでもメソメソしてるんじゃない
疲れるから自分で持ちな


(´;ω;`)ブワッ

いい最終回でした!

ミギーがいなくなる夢の中の「きみの母親はきみの脳ではこういう姿に見えるのか」「どれもわたしが自分の脳で見たのと違う……」のシーンも良かった。なんかゾクッときた。

「内気な少女が喫茶店のバイトを始めて少しずつ大人になっていく成長物語」とか描いてた岩明先生が、こんなものすごい作品を生み出すことになった過程が気になります。

すごく面白くて考えさせられるいいマンガですが、やっぱり一見すると気持ち悪い系だから
不気味な表紙を見ただけで読むまでには至ってない人がけっこういるんだろうなあー。もったいない!
なるべく布教せねば。マンガ好きとして。



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柿丸

柿丸
文化人類学的観点からマンガを研究したいただのマンガ好きです。データ収集が趣味。
ジャンプ歴10年でしたが2016.3に一旦卒業しました。
マンガの感想は基本的にネタバレです(どうせ古いマンガしか感想書かないので)。

【新刊追ってるマンガ】
アオイホノオ
おいピータン!!
大奥
カルバニア物語
きのう何食べた?
海月姫
たそがれたかこ
トクサツガガガ
ドリフターズ
ドロヘドロ
HUNTER×HUNTER
etc.