裏次元の一日

マンガ・アニメを研究したり分析したり考察したりしてなかったり。

【佐々木倫子】カテゴリの記事一覧

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林檎でダイエット

Category:佐々木倫子



Wikipediaで見たところこのシリーズは「美人姉妹シリーズ」と名づけられているらしい。シリーズといってもコミックスは全1巻です。初期のシリーズの中ではかなり好きなのに短くて残念。
北海道に住む姉妹、無職で園芸マニアの雁子(若い姉)と大学で塗装工芸をやっているの鴫子(老けた妹)のゆるい日常生活。食事シーン多くてお気に入りです。


「椿館」
──はじめは払うつもりだったのです
最近「金花茶」という椿に夢中な雁子の様子がおかしい。子供の頃泥棒を予知したことのある雁子の神経過敏を怪しむ鴫子だったが。
マイペースな姉としっかり者の妹のコンビは佐々木姉妹がモデルでしょうか? それほど好きでもないはずの椿に心を奪われてしまう物欲の暴走。他人事とは思えません。
このシリーズに出てくる管理人の息子さんがけっこう好きなんです。『動物のお医者さん』のハムテルに代表される佐々木作品の「クールだけど周囲に振り回される男子」が好きな読者は多いはず。


「美人」
「あたしと勝負しない?」
図々しくも「美人姉妹ごっこ」をして遊んでいた二人。行きつけの書店の渋い店長が気になっていた鴫子は、ある日見知らぬ美人・麗子に「美人勝負」を挑まれる。
鴫子は雁子に比べて常識人なだけに、雁子よりはまともな恋愛感情を持ってるっぽい。
冒頭の美人姉妹食事シーンがおいしそうだったのです。あと途中のサンドイッチもおいしそうだったのです。佐々木作品に出てくる食べ物って好き。


「白衣の天使」
──私の正体は看護婦さんではない
鴫子は塗装工芸専攻の大学生。普段から誤解されがちな「塗装」だったが、ある日鴫子は謎の男に服に染み付いた消毒の匂いのせいで看護師に間違われる。
謎の男に最後まで本職を告げずに通しちゃった鴫子&雁子、スルースキル高すぎます。


「林檎でダイエット」
──そういえば私には好きな人がいない
最近太り気味の雁子は林檎ダイエットをしようとする。果物屋の男性店員に「好きな人にデブと言われるシーンを想像するといいですよ」と聞いた雁子は、まず誰かを好きになるところから始めようとするが。
「いいだしっぺが責任をとる」とか言いながら果物屋の店員さんを意図的に好きになろうとする雁子、勘違いと同情と怒りから雁子を好きだと言い出す店員さん、好意を示されると好きになれないため「椅子取りゲーム式告白」という状況にならないと恋が成就しなそうな雁子…。
佐々木作品の少女マンガっぽくない恋愛観を凝縮したような話です。ほんと佐々木作品っていわゆる一般的な恋愛シーン出てこないな。


「既視感のおかず」
「このメニューはどこかで見たことがある」
毎日毎日似たようなおかずが続く真夏の浅野家。賞味期限にアバウトな雁子と、古い食材にあたることに怯える鴫子。しかし3時間経ってもお腹は痛くならなかったのだった。
私の好きな話です。雁子の作る庶民的なおかずが妙においしそう! この姉妹はきっと菱沼さんと同じ腹を持っているに違いない。



「コミック・フェスティバル」
ここから別シリーズ。乙女チックなイラストを描いていることを漫研の連中に利用される隆くんのお話。
自分の乙女チックイラストを柴田さんにだけは知られたくないので悪の漫研「カデューシャス」の言いなりになる、騙されやすく気の毒な隆くん。
プロデビュー1作目だからか、デビュー作の『エプロン・コンプレックス』と似てます。主人公の少年がかわいそうなとことか。


「降誕祭ミステリー」
「ホワイトクリスマスだから白みそじたてね」
上の続編。
漫研の苦労少年・隆はクリスマスイブの夜に一人肝試しをさせられるが大敗する。
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代名詞の迷宮

Category:佐々木倫子

photo
代名詞の迷宮(花とゆめCOMICS)
佐々木倫子
全1巻
白泉社


忘却シリーズ第3弾(2弾は数年前の大掃除のおり紛失したので感想書けない…)。
タイトルからしてこっちが第一作かと思ってましたが続編だったんですねぇ。


「山田の猫」
「私がタマをもらおうと思ったのは タマをかわいいと思ったからです」
若い男性画家とブサイクな猫と美しくはない少女を巡る謎の縁談物語。この話、勝久くんの特性がほとんど出てきません。
うっかりブサイクな猫をもらってしまったばかりか、日本的美観からいって美しいとはいえない少女を妻に選んで画家としての自分の美意識を否定しまうのか?(こう書くとけっこうヒドイ)
すでに動物を個性豊かに描くことに長けている佐々木先生。タマかわいいです。

この話に出てくる画家の広顕さんはクールだけど主体性が薄く周りに流されやすいという、他の佐々木作品にも出てくるタイプの男性。佐々木倫子と川原泉は草食系男子ブームの遥か以前に草食系男子を作品に登場させてた印象があります。


「代名詞の迷宮」
「するとその人は犬の頭にスリッパをのせた」
勝久はおじいさんのお葬式に出たばかりに、無関係のマフィアの跡目争いに巻き込まれる。
マフィアの娘・薪絵さんがこれまた後の菱沼さんを思わせる「やたらぼーっとした女」。
強面で子供好きな「勝久のおじさん」がお気に入りキャラです。



「風の上 空の下」
ノット忘却シリーズ読み切り。
美術科の大学生・松下くんは鳩沢さんと鬼塚先生が好き。鳩沢さんは松下くんと鬼塚先生が好き。鬼塚先生は二人がきらい。三角関係ともいえなくもないかんじのゆっるいラブコメ(?)と凧上げ物語。
私の思う佐々木作品の長所は「余計な恋愛描写がないとこ」なのですが、この作品とか『エプロン・コンプレックス』みたいな初期のラブコメ入った話でも、女の子がちょっと変人だったり男の子が弱かったりで、普通の少女マンガの恋愛ものとはだいぶ違うのほほん感があるとこが好きです。『動物のお医者さん』のテレビドラマ版なんか二階堂が女好き設定になってたりして、ほんとわかってねえなと思います。

食卓の魔術師

Category:佐々木倫子

photo
食卓の魔術師(花とゆめCOMICS)
佐々木倫子
全1巻
白泉社

家族の肖像 (花とゆめCOMICS) 代名詞の迷宮 (花とゆめCOMICS)



ぼくは雑踏を歩くのがこわい。なぜなら──
「人の顔と名前を覚えるのが苦手」なことがコンプレックスの高校生・黒田勝久くんが主人公の「忘却シリーズ」全3巻のうちの1巻。まだ作品解説で「倫子クン」とか呼ばれてた大昔の初コミックスです。
「前に会った人の名前が思い出せない」という、それだけの設定で物語進むのか!?と言いたくなるような主人公ですが、佐々木先生の日常系地味めミステリーなかんじのお話にはぴったりかと。


「ちょっとだけハードボイルド」
「君っ 犯人を見ただろう!?」
人の顔が覚えられない勝久が、ある日逃亡中の銀行強盗とぶつかり、警察に証言を求められて困る。
勝久のデータベース代わりの親友・三本木くんがいいキャラしてます。


「コレクター」
「思いだしましたか」
同じ学校の美少年・戸川くんがことあるごとに自分を思い出させようと迫ってくる。
さまざまな物を収集する趣味を持つ戸川の屋敷に捕らわれた勝久は、戸川の口から恐るべき事実を聞かされるのであった。
シリーズ中のライバルキャラといえなくもない戸川くん。佐々木作品には珍しい美形キャラです。髪型は花形満です。


「食卓の魔術師」
「詩子(善)は詩子(悪)とちがう…。空気の色が…ちがうんです」
両親が旅行に行ってしまい食事に不自由する黒田家に、親戚の女の子・詩子(勝久のいとこ)がやって来て食事を作ってくれるようになる。
しかし出会うたびに雰囲気の違う怪しい詩子に、勝久は恐怖を覚えはじめる。
佐々木作品に出てくる食卓風景は妙においしそうで好きです。しかしストーリーのミステリー部分が「銀行強盗」→「人体収集家?」→「化け猫!?」とだんだんおかしくなってゆきます(笑)。


「エプロン・コンプレックス」
ここから忘却シリーズではない読み切り。佐々木先生のデビュー作です。
両親が共稼ぎのため、家のおさんどんを担当する弟・章博。弟の料理が何よりも好きなお兄ちゃん・康博。
食卓の魔術師
苦労人体質の弟と意地悪な兄のお料理コメディは今雑誌に載っても人気出そうな題材。康博お兄ちゃんみたいな美形俺様キャラは今となっては珍しいです。
大学の仲間には料理をしてることをかたくなに隠す章博。この時代(80年)だからかしら。
早くお料理担当(主に兄の)から抜け出したいと思っている章博ですが、章博とそれなりにいい仲である天然美人「馬面より豚面のほうが好きなんです」の美子さんの家は実は料亭で…。
料亭の娘にあるまじき味覚オンチの美子さんのボケ加減がナイスです。
「これは──(ハッ)みそ味!!」


「プラネタリウム通信」
洋服屋で働く繁野咲子さんは同僚のひとみちゃんに何故か嫌われていた。
「仕事中に外を出歩いた」という濡れ衣を着せられながら、いつの間にか売り場での販売勝負になっていた咲子さんとひとみちゃんだったが。
後年「職場」や「ちょこっと特殊な大学」を舞台にした作品を描くことが多くなる佐々木作品。この作品もお洋服屋さんというところがまだ普通ですが、一応お仕事ものですね。佐々木作品に出てくる職場や大学はみんな仲が良くて大雑把でガヤガヤしてて好き。


「佐々木倫子の趣味の講座 乗馬」
描き下ろしエッセイマンガ。
「手綱を開くとまがりたいほうに馬の顔がむく
そして首をまげたまま直進する」

作者エッセイマンガに必ず出てくる「妹」はこの頃すでに登場してます。
馬といえば『動物のお医者さん』の馬の話好きだったなー(そういや佐々木先生っぽいモブ出てきてたっけ)。

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柿丸

柿丸
文化人類学的観点からマンガを研究したいただのマンガ好きです。データ収集が趣味。
ジャンプ歴10年でしたが2016.3に一旦卒業しました。
マンガの感想は基本的にネタバレです(どうせ古いマンガしか感想書かないので)。

【新刊追ってるマンガ】
アオイホノオ
おいピータン!!
大奥
カルバニア物語
きのう何食べた?
海月姫
たそがれたかこ
トクサツガガガ
ドリフターズ
ドロヘドロ
HUNTER×HUNTER
etc.

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