裏次元の一日

マンガ・アニメを研究したり分析したり考察したりしてなかったり。

サザエさん

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サザエさん
長谷川町子
全45巻
朝日新聞社

サザエさん (2) サザエさん (3) サザエさん (4) サザエさん (5) サザエさん (6)


「サザエさん」を原作で読んだことのある人はあまりいないかと思いますが、すっかりホームドラマと化したアニメとは全然別物で、新聞マンガらしく風刺とか時事ネタとか毒が入ってて面白いです。
特に初期の長谷川町子のニュルンとした線づかいはすごい素敵! 巻が進むにつれてだんだん線がシャープになってきてしまうので(頭身も低くなる)、10巻あたりまでがおすすめ。

『サザエさん』の連載が始まったのは昭和21年。リアルタイムで戦争直後を背景にした初期は
配給とかMPとか満州からの引き揚げといった戦後ワードがバリバリ出まくる4コママンガでした。

台詞も「ひとつ目新しい代用食でも作ろうかな」
「カツオ、ワカメ、闇市につれてってあげよう」
「戦死したはずのせがれが戻ってきました」といった
当時の空気がバシバシ伝わってくる台詞のオンパレード。
駅員さんと救世軍の人を間違えちゃった☆という、時代が違いすぎてよくわからないネタも出てきます。


サザエさん一日警官


ところで、「マスオさんは婿養子じゃなくて同居してるだけ」という話によく出てくる
サザエさん大家フルボッコ事件」はちょっとしたトリビアみたいに語られますが、
原作のサザエさんはこれくらい普通にやります。
小学生のカツオと本気で取っ組み合いしたりするし。

あ、でもアニメもホームドラマ化する前は相当なドタバタものだったなぁ…。原作以上に。


アニメと原作との違いはいろいろあれど、一番大きな違いはワカメの可愛さ。
アニメではただの優等生キャラのワカメちゃんですが、原作ではその天真爛漫なアホ子っぷりが大変愛くるしいお子さまです(原作初期のワカメは5歳前後)。
私は原作初期のワカメを猛烈プッシュしております。


「この煮た空豆、うちの空豆です」が言えないワカメちゃん。可愛いw



目新しい代用食に小躍りするワカメちゃん。
サザエさんに出てくる人物はみんな食べ物への執着強めです。



コレラの予防注射から逃げて隠れるワカメちゃん。可愛いよう…!
このワカメちゃんが隠れてる着物の板張り、若い人は知らないだろうなー。
当時の生活を知るいい資料にもなりますね。



エンピーに怯えるワカメちゃん。
パンチラはデフォ。


あと、タラちゃんも可愛いです。

長谷川町子の描く団子っ鼻って好き。カツオの膝小僧も可愛いぞ。


とにかく原作のサザエさんは長谷川町子の初期の柔らかいタッチの絵柄がすごくいいかんじです。
特に朝日新聞社版の3巻の表紙とか、すごい決まってる。


出てくる食べ物がやたらおいしそうに見える。

サザエとカツオの頬張り方がおいしそう。


台所のシーンは昔の道具がいろいろ出てきて面白い。

冷蔵庫は多分氷入れて冷やす式。
磯野家の家の中もよく描かれてます。出てくる家具の古さがレトロ好きにはたまりません。


そして、着物に馴染んでいた時代の人でなければ描けない着物の描き方。

この絶妙なデフォルメ加減!
お正月はサザエさんも「あの髪型」以外の髪型。結綿島田ですね。


おまけ
原作より過激なアニメ第1話のフネさん

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柿丸

柿丸
文化人類学的観点からマンガを研究したいただのマンガ好きです。データ収集が趣味。
ジャンプ歴10年でしたが2016.3に一旦卒業しました。
マンガの感想は基本的にネタバレです(どうせ古いマンガしか感想書かないので)。
別ブログ→山岸凉子漫画感想ブログ




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