裏次元の一日

マンガ・アニメを研究したり分析したり考察したりしてなかったり。

今月買った本(2012.9月)

Category:雑記

今月20129

今月は19冊。
・【大奥】意外と続くな家重編。
・【海月姫】アパレル業界の話がリアル路線になってきておもろい。
・【ドロヘドロ】煙さん復活マダー?



・ウィザードの敵さん、バッドエナジー出さしとる…。ベルトの変身音、テンション高っ! すかした系主人公はあまり好みではないです。一人マジレンっぽい…。
・タイバニをアニマックスの再放送で視聴中。去年はハマれなかったけど、1年越しで少し好きになってきました。しかし最近職業ヒーローもの目立つなあ…。文化が爛熟してる匂いがするぜ。
・「この世を闇で覆い尽くす」とか言ってる悪の組織さんは、もっと「僕らはこんなに光が苦痛だ!」的な描写を入れればいいのに。
・母「こないだ横顔がアカギにそっくりな人見かけたわ!」それは本当に人間なの!?

天沼矛

Category:山岸凉子

天沼矛(あめのぬぼこ)
1986年

時じくの香の木の実(あすかコミックス)』(角川書店)
自選作品集 月読(文春文庫ビジュアル版)』(文藝春秋)
白眼子(潮漫画文庫)』(潮出版社)
山岸凉子スペシャルセレクション〈3〉神かくし』(潮出版社)
に収録。



「桜」をテーマにしたオムニバス。
まったく雰囲気の違う3編の短編で構成されています。個人的には第二話が薄ら怖くて好き。


「第一話 夜櫻」

どうしてここはいつも夜なの
あの桜はなぜいつもいつも花びらを散らすの? 尽きることもなく

神話の世界。一人ぼっちで寂しい神様は天沼矛で沼をかき回し、一人の少女を生みだしますが、少女は蛇神である神様を怖がって逃げてしまいます。それでも神様は、夜が明けない世界を嫌がる少女のために、桜の木に火をつけさせます。木と共に燃え、黒コゲになって苦しむ神様に少女が白い乳を振りかけると神様は立派な男性へと姿を変えましたとさ。めでたしめでたし。
感想に困る(笑)正統派神話ストーリー。えーと、天沼矛は実際に古事記に出てくるアイテムだけど、この話は創作神話でいいのかな? ぐぐってもそれらしい神話が出てこないので。
「どうして少女の乳がでるの?」という山岸先生の的確な自分ツッコミあり。ほんとだよ。


「第二話 緋櫻」

そうだ あれはお母さんだった!
口に櫛をくわえて 目が…光っていた

離婚歴のある駿と結婚することになった佐江子。実家の庭に新居を建てるため、桜の木を伐採する途中、桜の幹から出てきたのは大量の五寸釘。その時佐江子は子供の頃の記憶を思い出してしまう。夜中、櫛を口にくわえて丑の刻参りをする、今は亡き母の姿…。
離婚歴のある婚約者、病気で亡くなった「お母さん」、後妻である今の「ママ(母の妹)」と、意味ありげな人物を配置し、主人公が思い出したお母さんの恐ろしい行動の謎…と来て、さあどうなるのかと思えば「駿との結婚が少し恐い…」でいきなり終わってしまう。このラストに、初めて読んだ時は「山岸先生、もう少しヒントくださいよう!」と思ったのですが、今思えばこのモヤモヤ感が肝だったのかも。
「お母さん」がまだ存命の頃から父は「ママ」と関係があった? お母さんはそれを知っていた? 丑の刻参りはその恨みから? 駿の別れた女性と息子は? など、主人公の脳内を駆けめぐったであろうさまざまな男と女の愛憎劇。男と女って怖い→この先結婚する駿と自分の間にも何があるかわからない→「駿との結婚が少し恐い」という結論なんじゃないのかなと思いました。そのへんがはっきりしないのもまた良し。


「第三話 薄櫻」

「気にするなよ おまえのはすぐ良くなるよ」
人魂が飛ぶと噂される療養所に入院している少年たちの、ちょっと切ないお話。
少年たちの部屋には、少し年上の荒雄(あらお)という少年がいましたが、その名のとおり荒々しい性格なのでみんなから嫌われていました。
でも小6の節(たかし)は、クリスマスの夜に荒雄の意外な優しさを知ります。
ツンデレの荒雄くんに少しずつ懐いていくショタっ子節くん。桜吹雪の中でのキスシーンがあったり、よく考えるとうっすら少年愛な雰囲気のお話です。なんか長野まゆみが書きそうな…。絵と話のせいで全然それっぽくないけど。そういやサナトリウムとかモロに少年愛シチュエーションじゃないか。
普段はキツい荒雄が、病室でクリスマスパーティの準備をするシーンが好きです。他の子がみんな一時帰宅して寂しい節を気づかって…良い兄ちゃんだ…。ホロリ。

牧神の午後

Category:山岸凉子

牧神の午後
1989年

牧神の午後』(朝日ソノラマ)
青青の時代〈4〉(希望コミックス)』(潮出版社)
牧神の午後(MFコミックス)』(メディアファクトリー)
に収録。



翼を持った者には腕がない!
腕がある者には翼がない
それがこの地上の鉄則なのだ


1909年。ロシアバレエ団の新人、ヴァーツラフ・ニジンスキーは「アルミーダの館」で衝撃的なデビューを果たし、その異常なまでの才能で人々を驚かせ続けた。
しかしバレエマスター、ミハイル・フォーキンだけは、ニジンスキーの天才性の裏にある「社会にまるで適応できない」という重大な欠点に気づく。


伝説の天才バレエダンサー・ニジンスキーのお話。ミハイル・フォーキンの視点で描かれています。
上昇し続けて見えるあり得ない跳躍! 事故と間違うほどの拍手の音! 吠えるような歓声! 感動を通り越して動揺しはじめる観客! すごいなニジンスキー!

顔が変わった!?
姿が…フンイキが変わる!?
変身!? いや…! あれは そんな なまやさしいものじゃない
あれは… あれは まさしく憑依だ!


フォーキンは「憑依状態」(←バレエマンガにあるまじき単語出ました)のワッツァから金色のオーラが出ているのに気づきます。ワッツァは人間を超えた何かなのかも知れない。ワッツァの才能に驚きながらも、その反面、社交性が一切なく日常を生きていくことすら困難なワッツァの「影」にも気づきはじめます。

「ワッツァ 4メートル半も跳ぶなんて…よほど勢いでもつけているのか?」

「別に勢いなんか… 跳べるような気がしたから

フォーキンは「曲がるような気がするんだもん」という理由でスプーンをクニャクニャ曲げて見せた知人の息子とワッツァをダブらせます。子供のように既成の事実にとらわれずに「できる」と信じていられることが彼の力の源なのか。しかし、事実にとらわれないということは現実を習得できないことと同じ。ワッツァが世間の中で摩耗してしまうのではないかと危惧するフォーキン。
この作品ではニジンスキーの驚異的な才能を「一種の超能力」という観点から見てて面白いです。HUNTER×HUNTERで軍戯の天才少女・コムギちゃんが念のオーラ出せるみたいなかんじ? あの娘も軍戯以外何もできない子だったなあ…。
「翼はあるが腕を持たない」という比喩が上手い。実際、ある分野で天才と呼ばれる人たちって私生活はメチャクチャだったり人格破綻してたりしますもんね…。ワッツァみたいに「社会に適合できない」とかだったらまだいいですけど、家庭内暴力とかだとその人の仕事も嫌いになってしまう(井上ひさし嫌いになりました…)。

その後、ワッツァは普通の男としての幸せを追い求めて女性と結婚したら、パトロンで同性愛の関係だったセリョージャから恨まれて迫害され、ついには発狂してしまいます。すごい天才らしい生涯。(←不謹慎)
この物語ではフォーキンさんがワッツァの異能も欠点も気づいてくれてるから、フォーキン助けたれよ!と言いたくなってしまいますが、しょうがない。フォーキンはロシアバレエ団からいなくなるし、ニジンスキーの運命は決まってますからね…。

超能力にまで喩えられるニジンスキーの踊りを一度見てみたいなー。踊ってる時の映像が一切ないことがニジンスキーの伝説に一役買ってますよね。わかってるのに「空中で静止したかのような跳躍!」とか言われるとついYouTube検索してしまいます。ないっつーの。

DDT

Category:丸尾末広

photo
DDT──僕、耳なし芳一です(2011)
丸尾末広
青林工芸舎
全1巻


丸尾末広の短編集感想第3弾ー。

上の画像は古い方の表紙ですが、2011年の11月にカバー絵が新しくなってます↓
(モデルはデイジー&ヴァイオレット・ヒルトン姉妹か?)
DDT表紙
変わったの知らないでアマゾンで買ったら表紙違ってびっくり。でもこっちの方が可愛いからラッキー。

昔の少女マンガの恋愛観

Category:雑記

最近、昔の少女マンガ(60〜70年代あたり)を読んでいるのですが、すごいです。
若い男女が恋愛をしているという点では今の少女マンガと同じなのに
昔の若者、超身持ち固い。超潔癖。超真面目。超自制。超責任感。


・妹のボーイフレンドが他の女の子に浮気しているのを知ったがボーイフレンドに「僕の妹はそんなに安っぽい女の子だったかい」
・中学生男子が「まだ中学生なのに一対一の交際なんてよくないぜ」
・婚約者が昔女性と同棲していたことを知り大ショック。同棲までしていた人とどうして簡単に別れられるの!? わからないわ。初恋なのよ…どうしてくれるの!?
・付き合っていた女の子と別れ、別の女の子と付き合いだした男子Aを別の男子Bが大説教。「なぜあいつを捨てるんだ!」そしてボコボコに殴られても「弁解はしない…」とか言って無抵抗で殴られる男子A。
・不良の男子高校生が本当に愛せる女の子と出会い、過去に適当な女(スケ番)と肉体関係を持って童貞を捨ててしまったことを死ぬほど後悔。
・さらに過去の女が妊娠した責任を取り結婚する不良少年。(本当に不良なのか!?)
・母親にボーイフレンドの家への訪問をとがめられ「私たち汚い心は持ってないわ!」
「まだ高校生だから、あなたときれいな気持ちでお付き合いしているわ」
「私たち、やましいことは何もないわ。私だって自分の年齢わきまえてるわ」
・自分が不倫の末にできた子供だということを知り両親に大激怒。「そんな風に人間の道を踏み外して私を生んだのね! 汚い! 近寄らないで!」
・母親推奨の交際→「一週間に一度、2〜3時間お話すれば充分です」



昔の少女マンガの恋愛観まとめ!
・「別に好きな人ができたから別れる」は裏切り。
・愛は基本的に一生ものであり、愛する相手を変えたらよほどの浮気者か卑怯者。
・↑別れた恋人との関係が深ければ深いほど「そこまでの仲だった人となぜ別れられるの」と責められる。
・男でも純潔を守っておかないと、後々彼女にすごい軽蔑される。
・高校生の交際でCなど、よほどの不良しかあり得ない。よくてAどまり。
・間違いが起こらないようにグループ交際推奨だし、二人っきりでも「きれいな交際」は暗黙のルール。
・男女交際の肉体関係の有無は「きれい・汚い」で表される。
・やりたいなら結婚するしかない。
・恋人同士に「潔癖」は褒め言葉。大人でも。

ワオ…! 「10代の頃から付き合っては別れ付き合っては別れ、最終的に5年くらい同棲が続いた恋人と『妊娠したしそろそろ籍入れる?』」という流れが多い(←少なくとも私の周りではこれが一番一般的です)私の世代からすると新鮮すぎる。なんて潔い男女交際…! よくこんなクールなお付き合いできるな、昔の人! 正直ちょっと憧れます、昭和の恋愛。この潔癖感がたまりません。

あと、マンガを読んでいるとどうも「ボーイ(ガール)フレンド」と「恋人」は少し意味合いが違うようで、そのへんの感覚がよくわからない。現在はほとんど彼氏・彼女としか言わないからな…。「婚約者」すらあんまりないからな…。
お友達

ボーイフレンド(恋人候補? 短時間の会話とデートが主。キスすらしない「きれいな」交際)

恋人・ステディ(婚約者候補? キスとかする。わりと本気の付き合い)

婚約者(将来結婚することを契約した人。「きれいなお付き合い」なら肉体関係は無し)

妻・夫(社会的に認められた関係。いろいろ解禁。産めよ増やせよ)
という段階かなー?と思うけど。

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柿丸

柿丸
文化人類学的観点からマンガを研究したいただのマンガ好きです。データ収集が趣味。
ジャンプ歴10年でしたが2016.3に一旦卒業しました。
マンガの感想は基本的にネタバレです(どうせ古いマンガしか感想書かないので)。

【新刊追ってるマンガ】
アオイホノオ
おいピータン!!
大奥
カルバニア物語
きのう何食べた?
海月姫
たそがれたかこ
トクサツガガガ
ドリフターズ
ドロヘドロ
HUNTER×HUNTER
etc.