裏次元の一日

マンガ・アニメを研究したり分析したり考察したりしてなかったり。

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時じくの香の木の実

Category:山岸凉子

時じくの香の木の実(ときじくのかくのこのみ)
1985年

時じくの香の木の実(あすかコミックス)』(角川書店)
自選作品集 夜叉御前(文春文庫ビジュアル版)』(文藝春秋)
山岸凉子スペシャルセレクション〈6〉夏の寓話』(潮出版社)
に収録。



「それを食べるのです。それを食べるとおまえ達のどちらかが
永遠に年を取らない者になります」


正妻の娘・日向(ひゅうが)、妾の娘・日影
ほぼ同時に8歳になった二人は、巫女である大叔母の屋敷に連れてこられ、どちらが跡継ぎとなるかが試される。差し出されたのは奇妙な果実…。
聴覚と引き換えに巫女になったのは日向だった。日向はそれ以来年を取らず、何年経っても幼女のまま、予言能力を持つ巫女として一族の頂点に君臨するのだが…。


私が一番最初に読んだ山岸マンガです。
かなーり暗い救いのない不老不死もの。山岸マンガらしく、誰も幸せになりません。
あと、着物がいっぱい出てきてキレイ。

いつまでも我儘な子供のままの日向、女として成熟した体を持てあます日影。対称的な二人の描写が見事ですよね。日影が自らを慰めるシーンが艶めかしい…。

なんだか性格の悪い日向はとにかく腹違いの姉の日影を嫌悪しますが、
醜く肉のついた大人の女の体を持つ日影は、日向が愛してやまない長兄と関係を持ってしまう。
そして日向は「永遠に年を取らない」の本当の意味を知る…。
衝撃的ですね、このシーン。何故今まで気づかなかったのか。

日向という存在は計画されていたものだったのか? 日向も思ってるように、そこが私も気になります。「神」と、その神の声を聞く「巫女」がいるなら結局二人必要だよなぁ…。

幼女に奉られる供物とか、突然壊れる廊下とか、全体的に不気味な雰囲気満載の作品。
またこの、日向が聴覚を失ってるせいで作品全体の空気を浸す静寂(日向以外誰も台詞を発しない)が妙に不安感をかき立てるんだ…。こういう「落ち着かないかんじの空気」を描かせたら山岸先生は日本一ですね。

日向のモノローグと台詞だけで進んでいた物語は、同じく日向の怖いモノローグで終わります。
「黄泉比良坂」もそうだけど、死者の一人称で話が進むのがすごいと思うんですよ…!

永遠に8歳のまま成長することもなければ衰える事もないわたしを
誰かが不安に思っているようですが…
バカにしないで
わたしの分別まで8歳というわけではないのだから


バックのキノコ雲が怖い!




*****
こんな話を見つけたので少し書きます。
ネタバレ注意。


「死んだ子供がその家の福の神になる」という言い伝えがあります。
だいぶ昔ですが、豪家や旧家では、死んだ子(の魂? 霊?)を手厚くもてなして、家の一画に子供部屋を作って食事や玩具も供えるという風習がありました。
その子がいる限りその家は安泰するという、いわゆる座敷童です。

日向もこの類の「神」になったんじゃないかと…。
うわー、実際の話とリンクさせるとなんか余計怖い!

「古い屋敷を取り壊す作業中、ドアのついてない座敷牢のような子供部屋が出てきた」ということもあったらしいです。使った形跡のない埃まみれの子供部屋……怖!

私がゾッとしたのは、
その子供に「体(魂の器)」として「お人形」を与えるという話。
日向が、自分がもらったと思って喜んでる(最後のページでも抱いてる)市松人形は、もしかしたらそれ用だったんじゃあ…。

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柿丸

柿丸
文化人類学的観点からマンガを研究したいただのマンガ好きです。データ収集が趣味。
ジャンプ歴10年でしたが2016.3に一旦卒業しました。
マンガの感想は基本的にネタバレです(どうせ古いマンガしか感想書かないので)。

【新刊追ってるマンガ】
アオイホノオ
おいピータン!!
大奥
カルバニア物語
きのう何食べた?
海月姫
たそがれたかこ
トクサツガガガ
ドリフターズ
ドロヘドロ
HUNTER×HUNTER
etc.

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