裏次元の一日

マンガ・アニメを研究したり分析したり考察したりしてなかったり。

スポンサーサイト

Category:スポンサー広告

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

こどものおもちゃ

Category:少女マンガ


いじめ、先生いびりと大騒ぎの6年3組。
紗南は悪の根源・羽山をこらしめるため、立ち上がった!!
ドキドキ・スクール・ウォーズ。


…最初はそういう話だったっけね。

この作品は「少女マンガ」という枠を軽く超えたストーリー展開が衝撃でした。
大人びてるようでまだまだ半人前なこども達の成長、羽山の心の変化の描写が素晴らしい名作です。
基本的に少女マンガはあんまり読まない私も、これはしょっちゅう読み返してます。
こんなに恋愛要素の少ない少女マンガが今まであっただろーか。


芸能界に片足突っ込んでるチャイドル・倉田紗南(サナ)のクラスは学級崩壊。
女の子を池に落とすわ先生達の乳繰り場面を隠し撮りするわでやりたい放題な悪の根源・羽山秋人の弱み(ズボンずり下げ写真)を握ったサナは羽山の乱行を止めさせた。これでめでたしめでたし…になるかと思いきや、サナは羽山の家庭を見てしまう。

「『…母親』 オレを産んだせいで死んだんだってさ」
「そのせいでいまだにこんななの? あんたんち…… 11年も!?」

「あんたんち… 悪いけどヘンだよ…?
『お母さん』…一生懸命産んでくれたんじゃない…?」

この台詞、このあと出てくるサナちゃんの出生を考えると…(´;ω;`)(って後の羽山も言ってたな)。


そしてサナ、羽山家に突撃。

「お家がこんなだからあいつはねぇっ!
ストレスを学校で発散しまくりだったんだから!
先生イビリとかいじめとかしてもータイヘンだったんだから!
おさまったかと思やロンリー・ウルフで おせっかいな私は気になる気になる!!」

「…家の中で悪魔悪魔って言われて育ったら…私だって…
本当の悪魔になっちゃうよっ!」



「…お前の瞳は…小学生の瞳じゃないな 秋人……すまない…」


ここまでで1巻。
こんなかんじで動き出した『こどちゃ』は、芸能界・マスコミ・少年犯罪・社会問題その他諸々を盛り込みつつ、サナと羽山を中心に回ります。
本当にこの作者は「人の心」「心の闇」の描き方が上手くて、それでいてギャグはギャグで妙に面白いもんだから、笑いとシリアスのギャップがすごいことになってます。さっきまで腹抱えて笑わせられてたかと思うと、いつの間にかボロ泣きさせられたりして、油断なりません。



以下、印象に残ったシーンを勝手に紹介。


サナの出生の秘密編。
実はサナは、生まれたその日に公園のベンチに捨てられていた子供でした。
ようやく見つかった産みの母親との遊園地のシーン。

「こんなこと…言える立場じゃないんだけど…でも…
…望みを持っちゃいけないかしら…
…いつか…紗南ちゃんと暮らせる日が……来ると思っちゃいけないかしら…」


「──それは…ないですね。できません。」

「私…あなたを母とはとても思えないし…
はっきり言って あなたに少しも関心がありません
…あなたには…2度と会いません」

このサナちゃんの一見冷淡とも思える台詞がすごいインパクトでした。シビれました。
昔の少女マンガの母親探しものとは明確に違う点がここにあり。
「あなたがもし私のこと中絶してたらって考えると
すっごいコワいです。…だってそしたら……私 今 ここにいないんだもん…」

この後の「産んでくれてありがとう」で涙。
…そして、本当にこの実の母親は、この後二度と登場しませんでした(10巻表紙にはいるけど)。「捨て子が本当の母親と会う」という古典的なテーマを扱いつつも、このクールさ。素敵です。
「14歳の時に叔父との間にできた子」のあたりが全然詳しく語られないとこも最高にクールです。


4巻の
中学生になったサナと羽山のシーン。

「…まだ……死にたくなる時 ある…?」

そういえば最初の頃の羽山は「生きてんのめんどくせー」とか言ってたっけ…。
1巻
サナに出会って羽山の人生変わったよね…。よかったね…。


そして、『こどちゃ』中学生編の大ヤマのひとつ「小森編」。(そのネーミングはどうだろう)
羽山の贖罪の物語でもある小森編。ハードな展開から目が離せません。

サナと出会ったおかげで今はそれなりの羽山の過去の悪事を皆の前でばらす千石先生。むかつくわー。
…「犯罪者」と言った千石先生の言葉は 少し言いすぎとも思うけど…
否定もできない
本当に羽山をうらんでる人はたくさんいるのかもしれない…
小森くんって子も…そうなの…?




「…オレ…悪いことたくさんした」
「うん…そうだね」
「千石の言ったこと ムカつくけどホントだと思う
オレのせーで…こころ…のキズっつーのあるやつ…いっぱいいる…と思う」

「うん…」


そして、小森に刺されて生死をさまよう羽山の、このシーンでは号泣でした…。
8巻
それは… 前に 誰かに…
…誰に言われたの…? 忘れてるの…?

忘れてない


前にサナの「お母さんごっこ」で言われた台詞は…
1巻
(´;ω;`)ブワッ


小森編は少女マンガらしからぬシーン目白押しでしたね。

こことか。

羽山を目の敵にする千石先生もいろいろヤバかったし。

千石先生怖い


サナの(育ての)ママ・実紗子さんはかっこいいな。



「…あいつら たった1人もいねーのかもしれない
お前みたいなやつが」

羽山は表情と言葉にあんまり出さないけど、あの時自分を助けてくれたサナにものすごい感謝してるのが読み取れてウルッと来ます…。
「…オレは…ツイてるよな。」
「…ツイてる?」
「おお ツイてる ラッキー少年なのだ」
「そーか」

いろんな つらいことある上で 「ツイてる」なんて言う羽山は
出会った頃とは 全然違う
すごく 変わったと思う…

小森に刺された右手が麻痺してもう動かない状況でこの台詞…。ほんと羽山、性格変わったなー。


そして、こどちゃの最後の大ヤマ。サナの心の病気。
羽山がアメリカに行ってしまうと聞いて「人形病」を発症するサナ。
今まであれだけ表情豊かだった主人公が、表情を一切失くすという展開はショックでした…。

マネージャー玲くん「なんとか頑張って立ち直ってもらえたら一番いいんだけど…」
母実紗子「あ それダメ! 頑張らせないでちょーだい!」
「心が疲れきって病んでる人に『頑張れ』は禁句に近いのよ」

ここ最近は一般人の間でも「頑張れって言わないで」は浸透してますけど、これ描かれたの98年頃なんですよね…。進んでるっつーか、わかってるっつーか。
「前にもあの子 学校から仕事に逃げたことあったじゃない?
私はあれ いいことだと思ったのよ。逃げ場のない人間は…コワれやすいわ

(コワれかけたことのある人の言葉だなぁ…)


いつも強くて明るくて元気な女の子だったサナちゃんの、極端に弱い一面をちゃんと描こうと思った小花先生はすごいと思います。
「こんな紗南ちゃんは見たくないわー」と思う読者さんもきっといると思いますが、
ごめんなさい。紗南の弱さをもう少し見て下さい。

(単行本9巻「オバナ脈絡なくしゃべる。」より)

今まで どうやって乗り越えてきたのか 思い出せない…
沈んでいく どんどん

読んでるこっちまで鬱になるサナちゃんの描写…。小学生読者、ついて来られるのか?



「ずっとこんな顔してんだぞ お前」



「お前が オレのことでそんなんなるなよ!!
笑えよ!!」

羽山が… 泣いてる…


このサナちゃんの病気編は読んでてすごく永ーく感じたなぁ…。ほんのコミックス1冊分なんだけど。
しかしすごいですね。仮にも「りぼん」の少女マンガなのにカウンセリングとか心のリハビリとか自分の中にある目をそらしたいような「弱さ」を認めなければならない苦悩といった言葉がバリバリ出てきますよ。


そして感動の(?)二人の別れ。




良い最終回だったなぁ…。
未だにこの作品、たったの10巻だったとは信じられない。それくらいの内容の濃さでした。

ていうか、途中から学校生活があんまり描かれなくなるからすっかり忘れてたけど
こいつらまだ中学生か! 驚いたー。最後で高校入試とか言っててびびった。







↑『こどちゃ』の中でサナと直澄が出演した映画を丸ごとマンガ化。



↑大人になったサナと羽山。直澄くんが予想外なことに。
珠里の「サナさんはすごく元気な人だ。『不元気な人の気持ちがわからない元気な人』じゃないといいけど」みたいなモノローグがすごいと思った。

HOME

柿丸

柿丸
文化人類学的観点からマンガを研究したいただのマンガ好きです。データ収集が趣味。
ジャンプ歴10年でしたが2016.3に一旦卒業しました。
マンガの感想は基本的にネタバレです(どうせ古いマンガしか感想書かないので)。

【新刊追ってるマンガ】
アオイホノオ
おいピータン!!
大奥
カルバニア物語
きのう何食べた?
海月姫
たそがれたかこ
トクサツガガガ
ドリフターズ
ドロヘドロ
HUNTER×HUNTER
etc.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。