裏次元の一日

マンガ・アニメを研究したり分析したり考察したりしてなかったり。

スポンサーサイト

Category:スポンサー広告

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ブルー・ロージス

Category:山岸凉子

ブルー・ロージス
1991年

自選作品集 ブルー・ロージス(文春文庫ビジュアル版)』(文藝春秋)
山岸凉子スペシャルセレクション〈7〉常世長鳴鳥』(潮出版社)
に収録。



「わたしぐらい役立たずの人間はいないわ。
気はきかないしグズだし なにをやってもドジだったのよ」

黎子(たみこ)
は男性と付き合ったことがないまま30歳になろうとするイラストレーター。
子供の頃に親からかけられた呪文のせいで自分に自信が持てずにいた黎子だが、ある時男性編集者の和久と出会ったことで、黎子の人生は少しずつ変わりはじめる。


私が山岸先生のマンガを読むようになったのは、母の本棚に山岸凉子(他24年組)の単行本が何冊かあったのがきっかけなのですが、何冊かあった単行本の中にこの『ブルー・ロージス』が入ってたんですね。
最初に読んだ時、私はまだ小学5年生くらいで、その時の感想は「主人公に彼氏ができて? 料理が上手くなって? …で、別れて終わり? 地味な話だなー」というかんじで、全然ピンときてませんでした。
でも20歳を過ぎた頃に読み返してみたら…すごい染みたんですよ。
子供時代、出来の良い妹(明子)と比べて親から褒められることがなかったせいで自分に自信の持てなかった黎子。大人になって初めての恋人にありのままの自分を認めてもらえて、愛情込めて褒められたことによって自分を認められるようになり…。

「安心して。黎子さんそんなにドジじゃないって。
もっともドジの黎子さんも可愛いと思うけど」


わかる! わかるよ今なら黎子の気持ちが! そう、人は褒めてもらえないと自信なんか持てないの! 子供の頃に与えられなかった「自信」を、大人になってからようやく与えられた黎子…。山岸先生の「救済系」(←勝手にこう呼んでいる)はいつもじーんとくるなぁ…。
和久さんと別れた後、彼に褒めてもらった料理を自信を持ってチャカチャカ作る最後のシーンなんか泣けます。

これはあの人から与えてもらったものだ……
どんな料理もおいしいと言って食べてくれるから
気がついたら自信をもって料理することができるようになっていたんだわ
そうか 明子のあの自信が子供の頃与えられたように
わたしは得そこなった自信をあの人に与えてもらったんだ


この話は「喪女黎子」「自信なし黎子」というふたつのテーマがあると思うんですけど、私は「自信なし黎子」の物語にすごいグッときちゃったので、和久さんが実はちょい二股だったとか、黎子が傷つきたくなくて目を背けていたとか、男女の恋愛沙汰がどうこうなるあたりはわりとどうでもよくなっちゃいました。でもまた数年後読んだら違う感想が出てくるのかも。
(この二人は結婚してないので「不倫」とは言いませんが、一応主人公が浮気されてるので「不倫」タグつけておきます↓)

それにしても「線の細い植物的な男性」のイラストが売りだった黎子が、男を知った後にはその絵が描けなくなった…というくだりは無駄に生々しい(笑)
星の素白き花束の…』の聡子さんの時も思ったけど、絵柄変わった後のイラストちゃんと売れてるんですかねー。心配。

HOME

柿丸

柿丸
文化人類学的観点からマンガを研究したいただのマンガ好きです。データ収集が趣味。
ジャンプ歴10年でしたが2016.3に一旦卒業しました。
マンガの感想は基本的にネタバレです(どうせ古いマンガしか感想書かないので)。

【新刊追ってるマンガ】
アオイホノオ
おいピータン!!
大奥
カルバニア物語
きのう何食べた?
海月姫
たそがれたかこ
トクサツガガガ
ドリフターズ
ドロヘドロ
HUNTER×HUNTER
etc.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。