裏次元の一日

マンガ・アニメを研究したり分析したり考察したりしてなかったり。

幻想曲

Category:山岸凉子

幻想曲
1977年

妖精王の帰還』(新書館)
山岸凉子作品集〈8〉傑作集2 ティンカー・ベル』(白泉社)
山岸凉子全集〈24〉パニュキス(あすかコミックス・スペシャル)』(角川書店)
山岸凉子スペシャルセレクション〈10〉ヤマトタケル』(潮出版社)
に収録。



幻想的な短編いっぱいのオムニバスです。


虹(プレリュード)

一切台詞のない絵のみの短編。
7人の女神が次々に太陽の神とキスして落下(落花!)するとやがて虹となる。
山岸先生の描くギリシャっぽい衣装って好き!
この女神様たちはアメリカの空の上では一人減るはず(笑)

分身(ダブル)

「見てはいけない」とされている黒い森の池。
ある日、池を見てしまった少年は池に映った自分に引きずり込まれ、溺れて死んでしまう…。
学校の怪談っぽい、ちょっと怖い話です。
池に引きずり込まれて終わりじゃなくて、少年の葬式が挙げられるとこまで描かれてるのがなんか逆に怖い。

転身(メタモルフォーゼ)

これも台詞なし。
変身能力を持った奇術師の女を観客の男が口説き落とし、そのまま熱い夜になるかと思えば、不思議な女は服どころか皮まで脱いじゃって骨だけになって崩れ落ちてしまいます。
このオムニバスの中ではコミカルで面白いです。
男は女を大金積んでものにしようとしてたけど、骨となって崩れた女をちゃんと埋葬して泣いてあげるあたり、けっこういい奴っぽいぞ。

堕天使(フォールン・エンジェル)

これは怖い…。インパクト系恐怖っていうか。
真夜中、眠っていた女の子が目を覚ますと、窓辺に背を向けた天使様がいる。
「ねえこちらをむいて」と女の子が天使を振り向かせると…。
「天使さまが…… 気の…気の狂った天使さまが」

妖精(エルフ)

村でただ一人の看護婦さんが謎の男の妻の出産を手伝い、こっそり棚にあった薬を右目に塗った。
数年後、市場でたまたま男を見かけて声をかけた看護婦はなぜか薬を塗ったことがばれ、右目をつぶされてしまう。
看護婦が勝手に使った「妖精が見えるようになる薬」はちょっとロマンチック。童話に出てきそう。しかしこの妖精さんはなんだか慇懃無礼。奥さんと赤ちゃんを助けてもらっといて「片目にだけぬったので助かりましたね」はひどくないですか。もう少し「私だって辛いんですよ」的雰囲気出そうよ。

月(フィナーレ)

「空がちょっとさびしいわね」
星のない夜。女の子が空の月と湖に映る月をシンバルのようにパシャーンと打ち鳴らすと、夜空は一面星空に…。おしまい。
アニメのコジコジでもあったなぁ、こういう話。力のあるちっちゃい子かっこいい。

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柿丸

柿丸
文化人類学的観点からマンガを研究したいただのマンガ好きです。データ収集が趣味。
ジャンプ歴10年でしたが2016.3に一旦卒業しました。
マンガの感想は基本的にネタバレです(どうせ古いマンガしか感想書かないので)。

【新刊追ってるマンガ】
アオイホノオ
おいピータン!!
大奥
カルバニア物語
きのう何食べた?
海月姫
たそがれたかこ
トクサツガガガ
ドリフターズ
ドロヘドロ
HUNTER×HUNTER
etc.