裏次元の一日

マンガ・アニメを研究したり分析したり考察したりしてなかったり。

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夢のQ-SAKU

Category:丸尾末広

photo
改訂版 夢のQ-SAKU
丸尾末広
全1巻
青林工芸舎



丸尾末広2冊目の短編集の感想です。
やっぱりエログロなので続きは下で。


「学校の先生」(82年)

Q-SAKU01
「あんた趣味の悪いネクタイだな 変へた方がいいぜ」
「おや!? ネクタイを変へたね 前の方が良かったよ」

丸尾作品には珍しく、ちょっとボーイズラブな話。サーカス団の小悪魔な美少年に翻弄される学校の先生のおじさん。萌え。
少年がしだれ桜の下で宙返りするシーンがすごく綺麗。2色カラーだし。
最後の「愛している……!!」のシーンのおじさんのポージングがなんか違和感あるなーと思ったら、映画「ベニスに死す」のワンシーンが元ネタらしい。きっとこのサーカスの少年はビョルン・アンドレセンのように美しいのでしょうね。
Q-SAKU02


「笛吸童子」(82年)

吸うなよ。吹けよ。(←タイトル)
ハーメルンの笛吹き学ラン少年が、少年達を誘い出し連れて歩く。
丸尾作品にはいったいいくつのトイレシーンが出てくるんだろう…。掲載誌JUNEなのに…。
あの町この町日が暮れて 帰る家ない君と僕
月に硫酸ぶちまけて 走れ暗夜の草迷宮



「ウンコスープの作り方」(82年)

「ドキ、ドキ、ドキ!! スープはもう出来たかな!?」
「だめよ 勝手に飲んだら」
タイトルからしてアレなスカトロ&オキュロリンタクスな話。
これに出てくる二人の少年と一人の少女はどう見ても十代前半なんですが、早くもそういう遊びに目覚めてしまっているようです。まあ幸せそうだからいいんじゃないですか。そういう青春も。ていうか最後これ死ぬんじゃ…。
男の子二人が特に意味もなく眼帯で包帯なあたり、萌え属性というものを理解していて素晴らしいと思います。包帯はいいよね。リリンの生み出した文化の極みだよ。そういえば高畠華宵はよく包帯を巻いた少年を描いてたから、当時の少年の間では怪我もしてないのに手足に包帯を巻くのが流行ったそうな。
ねえねえ知ってた!? お皿ってお尻をのっけるためにあるんですって
知らねーよ!


「初恋・壱萬壹千鞭譚」(82年)

「私は馬だ!! 私は豚だ!! 私はイスだ 私は便所だ!!」
「おまえは馬だ!! おまえは豚だ!! おまえはイスだ おまえは便所だ!!」
憧れていたお隣の若後家・冷子さんに誘われた少年。しかし冷子さんは少年の父親とも通じていたのです。おまけに…冷子さんは女王様だったのです。
なんか丸尾氏の作品にしては展開が王道だなーと思った。掲載誌がSM雑誌だからかしら。
玲子さんの「ズドーン」はどこかで見たような気がするんだけど…。何だっけ…。元ネタ笑ゥせぇるすまんでいいのだろうか…。


「童貞厠之介・パラダイス」(82年)

薔薇色の怪物』の方では儚げな紅顔の美少年といったかんじだった厠之介くんですが、こっちではすっかり遠藤ミチロウ化して下水の外で活躍。やだかっこいい…。
Q-SAKU03
「おまえの小便をかげば尼だって股を開く」
なんか新しい能力会得してるし。しかし下界の厠之介は何のお仕事をしてるのかさっぱりですな。
ダララララ 汽車は行く 鉄路は軋む
俺は黒い太陽 泥汗を吸う

「吸(サック)」に続く丸尾オノマトペ、ダララララ。放尿音。


「せんずり千太」(82年)

Q-SAKU04
わけがわかりません。
お父さんと女中、お姉さんと強姦魔、みちおとお婆ちゃん。みちおの家の三者三様のエロ事情みたいな。
少年とお婆ちゃんの情事とか誰得なんだよ…。
強姦魔の男共がシルエットのみで描かれてるとなんか良心的なかんじしません?


「地獄の一季節」(82年)

「不具者に生まれてくればよかった」
感想に困るなあ…。夢と現実が曖昧な少年みたいな。
少年の寝床にやって来る巨大カタツムリが少年のリクエスト通りに姿を変えるシーンは火の鳥未来編に似てると思った。タマミー、ムーピーゲームをやろー。
この短編集「思春期の少年の抑えられない性欲による妄想」的な話多いなあ。


「美しい日々」(81年)

マンガというか一枚絵のオンパレード。漢字カナ表記の文って読むの大変なの。
今日も今日とて吸(サック)!! 吸(サック)!! 吸(サック)!! 吸(サック)!!


「きん玉のにぎり方」(82年)

タイトルのわりに中身はまとも。昭和の衛生辞典のパロディ…にしては文面とか絶妙にリアルなんですけど。これどこまで丸尾氏の創作なんだろ?
ナプキンのページの少女がむやみに美しかった。
個人的には「春雄さん」の名を呟きながら自慰する少女が読んでる小説が吉屋信子なのはちょっと違和感あるかなー? 吉屋信子ってまだ学生の男女交際が一般的じゃなかった時代の、同性との擬似恋愛を楽しむ女学生達(シスター=エス)が読んでたイメージがあるので。


「不能少年」(81年)

服を脱がせてみる ねかせてみる おしてみる 吸わせてみる
押し入れで自慰に耽る道雄の妄想。
もう「吸」を「サック」と読むことが当たり前になっている丸尾作品読者にとっては、ここに出てくる「吸ウ」というオノマトペの方がむしろ珍しく思える。
終盤、丸尾作品だからなんか大変なことが起きてるような気になりますが、よく考えたら「息子が自慰してた押し入れの戸をお母さんが開けちゃった」って、さほど大したことない出来事ですよね。そんなこと思春期ならよくあることだよ道雄。せいぜい三日くらいお母さんと顔合わせられなくなるだけだよ道雄。


「腐ッタ夜・エディプスの黒い鳥」(81年)

父のそこは五体の機能を失った分だけ充実して
饒舌な意思表示をしてくるのです ピクピク……

丸尾氏といえば最近江戸川乱歩の『芋虫』をマンガ化しましたが、それより遥か以前にそれっぽい話を描いてたんですね。こっちは父と娘。
ここまであからさまに影響受けてるのがわかるのもどうかと思うけど(最後の「ユルシテ」まで同じだし)、個人的にはコミカライズ芋虫よりこっちの方が好きだなー。芋虫の方はあまりにはまりすぎでバナナ以外意外性なかったから…。
しかし丸尾先生、なぜ娘のボーイフレンドをコミカルな花輪くん的キャラにしたのですか…。この暗い作品の清涼剤になってただけに、最後のシーンの彼がかわいそうだよう…。彼女のこんな場面見ちゃったら花輪くん(仮)、しばらくご飯がいただけなくなっちゃう。
Q-SAKU05


「月食病院」(82年)

エログロな遊びに耽る医者と看護婦という、『DDT』の「月よりの使者」と似たかんじの作品。
意味不明で感想書きにくっ。
とりあえず、スカトロマンガは慣れてきたけど臓物系はまだ苦手だなーと思いました。山口貴由作品でだいぶ慣れてはいるんですけども、丸尾作品の臓物はまた別物っていうか…。


「雪子ちゃんの視た夢」(82年)

雪子ちゃんの視た夢が一枚絵と文字だけで書かれる3ページ。
御高祖頭巾の女といい額に「鬼」といい、出てくる要素がちょっと少女椿っぽい?
縄にまたがる三つ編みの少女って、デビュー当時のサーカスの絵?にもあった気がする。


「東京物語」(92年)

改訂版にのみ追加された短編。4ページ。なんか昭和28年の日本の映画らしいですよ。
元ネタを見たことないので詳しいことはわからないんですが、最後の絵が元の場面と違って「尻を触られる原節子」になってるあたり、他のシーンも元ネタをエロ改変してるのだと思う。


「無神経かさねが淵」(00年)

改訂版にのみ追加された短編。按摩が二番目の妻とその愛人に金目当てで娘ともども殺される。
幽霊になって恨み言を言う按摩に最初は怯えてた二人が、だんだん幽霊に無反応になって「わかったわかった」とか言いながら普通に生活しはじめてしまうところがちょっと面白かった。3人も殺してるのに別に罰されないんだー。
…しかしやっぱりこの頃になると画風があんまり好みじゃないなあ…。

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柿丸

柿丸
文化人類学的観点からマンガを研究したいただのマンガ好きです。データ収集が趣味。
ジャンプ歴10年でしたが2016.3に一旦卒業しました。
マンガの感想は基本的にネタバレです(どうせ古いマンガしか感想書かないので)。

【新刊追ってるマンガ】
アオイホノオ
おいピータン!!
大奥
カルバニア物語
きのう何食べた?
海月姫
たそがれたかこ
トクサツガガガ
ドリフターズ
ドロヘドロ
HUNTER×HUNTER
etc.

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