裏次元の一日

マンガ・アニメを研究したり分析したり考察したりしてなかったり。

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キメィラ

Category:山岸凉子

キメィラ
1984年

山岸凉子作品集〈9〉傑作集3 黒のヘレネー』(白泉社)
パエトーン(あすかコミックス)』(角川書店)
自選作品集 ハトシェプスト(文春文庫ビジュアル版)』(文藝春秋)
山岸凉子スペシャルセレクション〈7〉常世長鳴鳥』(潮出版社)
に収録。



その時あたしは この世にあり得ぬものを見ていました…
彼女の………… 下半身に


女子大学に入った磯村は寮で中世的な少女・鈴木翔(かける)と同じ部屋になった。
ほとんど平らな胸と男名を持つ美少年のような彼女に磯村は関心を持つが。


共学時代の「ムサい男」へのうんざり感、そして学園生活のつまらなさから来る「何かに夢を持ちたい」という思いを、男装の麗人・翔に憧れることで満たそうとする磯村(下の名前出てこない)。
でも翔は磯村が夢見たような美少年ではありませんでした。寡黙でほとんど口をきかず、一人で花の咲かない万年青を愛で、拾った動物の飼い主を執拗なまでに捜す。そういう変わった人でした。
一方、大学のある街の周辺では、お年寄りばかりを狙った殺人事件が相継いでいて…。

「翔さん すまないんだけど あの…ナプキン持ってない? 急にきちゃってあたし」
「ナプキン? 何それ」
翔にまだ生理がないことに驚く磯村。
「お客さん」に「おザブトン」…。古い…。昔ってこういう隠語発達してたよなー。

山岸作品によく出てくる「モノローグが饒舌な主人公」が、入学した先の大学で恐ろしい事件に巻き込まれるという話なのですが。
この作品のポイントはこれでしょう。スケベ心で死にかける主人公。なんか珍しいですよね山岸作品でこういう女の子キャラ。
磯村はある晩、心配を装ったスケベ心から彼女の裸体を見てしまう。

あたしときたら ああ! もう 絶望的なくらいスケベな人です

「老人を殺して血を絞る」という残忍な殺人事件が起きてるかと思えば主人公はこんなだよ!
他の作品の人たちはもう少しまともな理由で危機に瀕してたと思う(笑)

この話のテーマは「半陰陽(両性具有)」。現在ですらあまり認知されていないのに(つい最近マンガとドラマでちょっと話題になりましたが)、84年の時点では「男でも女でもない性」などという概念は一般の人の間では存在すらしてなかったのではないでしょうか? 昔も今も「男と女の中間はオカマ!」という共通認識を前提にしたギャグを飛ばす人の多いこと多いこと(別にいいんだけどね)。一般人の認識は未だにそんなもんです。
磯村も「彼女は半陰陽だった」といきなり聞かされてすぐ理解できたのかなあ。80年代の女子大生が知ってるとは思えない…。

翔は陸上選手であったというのがこの話の鍵のひとつですが、検索してみたら実際にいるんですねー、半陰陽の陸上選手。職業における男女の差が昔ほどではなくなってきてるとはいえ、スポーツの男女分けは致し方ないですよね…。どうしてもスポーツの世界で生きたい半陰陽の人はどうすればいいんだろう。
今まで認知されていなかったものに名前がつき、世間に認知されるようになると、それで対策などが練れて楽になるメリットと、却ってレッテルが貼られやすくなるデメリットがあると思うのですが、半陰陽の場合はどうなるのでしょうか。良い方向に向かうといいなと思います。本当に、「名前がつく」ということは諸刃の剣…。アスペだのワーキングプアだの罵倒語代わりに使う人いるじゃないですか…(主にネット上だけどたまにリアルでもいる…)。

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柿丸

柿丸
文化人類学的観点からマンガを研究したいただのマンガ好きです。データ収集が趣味。
ジャンプ歴10年でしたが2016.3に一旦卒業しました。
マンガの感想は基本的にネタバレです(どうせ古いマンガしか感想書かないので)。

【新刊追ってるマンガ】
アオイホノオ
おいピータン!!
大奥
カルバニア物語
きのう何食べた?
海月姫
たそがれたかこ
トクサツガガガ
ドリフターズ
ドロヘドロ
HUNTER×HUNTER
etc.

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