裏次元の一日

マンガ・アニメを研究したり分析したり考察したりしてなかったり。

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月的愛人 ルナティックラヴァーズ

Category:丸尾末広



このあたりともなるともうすっかり私の好みの絵柄ではなくなってるんですが、一応買ったので感想をちょびっと書きます。


「屋根裏の哲学者」(92年)

世界はのぞく為にある 参加しようとは思うまい 屋根裏の哲学者、私。
アパートに住む少年が、屋根裏から隣の女の部屋を覗く。女は一人で産んだ赤ん坊の首を捻り、死体をよりによって屋根裏に遺棄するが…。
この短編集の中ではけっこう好きな方かなー。「屋根裏と部屋」を「天界と下界」と表現するセンスが好き。元ネタは江戸川乱歩の『屋根裏の散歩者』ですかね。
少年、赤ん坊の死体をこっそり女の部屋に戻しておく→女「ぎゃああ!」
→女、また屋根裏に隠す
→少年、それをまた部屋に戻す→女「いえ〜!」
ギャグだこれw「恐怖」も繰り返すとギャグになるんだなあ。山岸凉子の『着道楽』って短編で「早く家に帰りたいのにいつの間にか手に卒塔婆が!」「今度はなぜか骨壺が!」というシーンがあるんですが、あれにも似たものを感じる…。


「耳ナシ芳一」(91年)

僕の歌は誰からも理解されず 僕が歌うとみんなは 怒るのです
子供の頃溺れて以来、左耳が聞こえない芳一。この世のものでない声が聞こえる芳一はギターを片手に不思議な歌を歌うようになるが。
よくわからないけど、最近ちょっとおかしい芳一くんが不思議な歌を歌う話です。そういえば丸尾作品って(変な)詩がよく出てくるわりには歌手キャラとかあんまり出てきませんでしたね(遠藤ミチロウはよく出てくるけど歌ってないし)。
霊の声が聞こえることで歌の才能が開花する…的な話かと思ったんですが、ライブハウスでは芳一くんの歌は観客からは大ブーイングでした。あれー?
ちょっと面白かったシーン↓
月的愛人1
なんか吉田戦車っぽい…


「極楽小屋」(90年)

見世物小屋?のメンバーが死んだ勇吉の霊にびびるお話。メンバーは勇吉に祟られるけど、勇吉の死因とか不明でよくわからない。丸尾氏、幽霊による因果応報話好きよね。
時代設定は江戸時代あたり? 昔の画風ならまだしも、後期の絵柄で現代の話だと個人的にあまり魅力が感じられないので、もっと時代物を描いてほしいです。
ちょっと面白かったシーン↓
月的愛人2
何やってんだ


「赤い眉」(88年)

「眉が赤い!! 眉が赤い!!」
床に穴を掘り主人と女の情事にこっそり「参加」していた下男がたたっ斬られるが、その後主人は下男の霊に祟られて男根に吹き出物ができる(なげやりあらすじ)。
「庶民をいじめてきたのがいけなかった」
悪いお金持ちがちゃんと反省しててほっこりしました。


「犬神博士」(89年)

犬を飼うのはやめなさい 犬はあなたのいう事をきかない……
掲載誌に合わなくて打ち切りになったらしいです。丸尾氏らしからぬちゃんとしたストーリー設定で、300ページくらいの長編の予定が40ページあたりで急に終わってます。ちゃんと謎とか義足の主人公の背景とかヒロインとか出てくるのに…。長編『犬神博士』とは話もキャラも違うみたい。
「ああっおじいちゃん!!」ここで終わり!?
厚化粧縦ロールのおばあちゃんがいい人っぽくて好きです。


「無抵抗都市」(93年)

月的愛人3
この短編集の半分近くを占める長編。
戦後すぐの日本。戦争に行った夫を待つ母子家庭の奥さんが小人の男・平井に惚れられる。最初は怪しげな平井を警戒していた奥さんだが、食べ物や仕事の世話をしてもらっているうちについ身を任せてしまう。しかし息子が帰ってこない。平井が食べさせてくれた焼き鳥の肉は実は…。
「一見優しそうだけど実は悪い人なんでしょ?」と思ってた小人さんがやっぱり本当は悪い人で、何のどんでん返しもなく話が進んでしまってちょっと拍子抜け。平井さんの行動理念がよくわかんないよ。奥さんへの愛は本物だったの?
しかし物語中に出てくる「擬態」という概念が美しく、これはこれでいいかなって思います。
夫がここへ来る前に 床のシミに擬態して隠れていよう

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柿丸

柿丸
文化人類学的観点からマンガを研究したいただのマンガ好きです。データ収集が趣味。
ジャンプ歴10年でしたが2016.3に一旦卒業しました。
マンガの感想は基本的にネタバレです(どうせ古いマンガしか感想書かないので)。

【新刊追ってるマンガ】
アオイホノオ
おいピータン!!
大奥
カルバニア物語
きのう何食べた?
海月姫
たそがれたかこ
トクサツガガガ
ドリフターズ
ドロヘドロ
HUNTER×HUNTER
etc.

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