裏次元の一日

マンガ・アニメを研究したり分析したり考察したりしてなかったり。

キルケー

Category:山岸凉子

キルケー
1979年

天人唐草(サンコミックス)』(朝日ソノラマ)
山岸凉子作品集〈7〉傑作集1 スピンクス』(白泉社)
山岸凉子全集〈24〉パニュキス(あすかコミックス・スペシャル)』(角川書店)
山岸凉子恐怖選〈1〉鬼来迎(ハロウィン少女コミック館)』(朝日ソノラマ)
自選作品集 夜叉御前(文春文庫ビジュアル版)』(文藝春秋)
パイド・パイパー(MF文庫)』(メディアファクトリー)
に収録。



「おまえ ココアを飲まなかったのね 飲まなかったのね」

中学生の奈津子、広、隆、進、小学生の道子。5人は山でのハイキングの帰り、バスに乗り損ね、山中を彷徨っていた。
日も暮れ弱気になっていた頃、5人は山の奥に家の灯りを見つけ、助けを求める。
その館に住んでいたのは大量の動物たちを飼う、妖艶な美女だった。


神話上の魔女「キルケー」を題材としたお話。元ネタはギリシャ神話なのに着物姿に切れ長目のキルケー。新鮮!
この作品は比較的シンプルな恐怖ものという印象があります。原始的恐怖「取って喰われる」にだいぶ近いというか。
仲良し5人組の中で一人だけ性格悪い子がいたので、「この子が最初の犠牲者なんだろうなぁ…(´ー`)」と思ったら案の定だよ! なんかホラー映画とか探偵もの的なテイスト。

キルケーさんの能力(?)は「人間を動物に変身させる」という、どこにでも出てきそうな単純なものなのですが、「人間の意識を保ったまま動物になる」ってよく考えたらすごくイヤだよなぁ…と思わせてくれます。主人公の奈津子一人だけ、好き嫌いが多いおかげで助かるんですが、すでに動物に変えられてしまった仲間たちが奈津子に寄ってきて、(逃げろ、逃げろ)と必死で示す…。うっわぁ…。
それを信じようとしない奈津子に置いて行かれた4匹(4人)の1コマが何気にめっちゃ切ないです…。ねこ…かわいいけど…。
微妙にしゃべれるオウムを採用してしまったのはキルケーさんの油断。きっと。

「逃げろ クェ 逃げろ」
「さっきのあの声 なんだか広くんの声に似ていた」

5人が館を見つけた時に吠えまくってた「番犬」たちも、多分犠牲者(元人間)なんだろうなぁ…。最初5人を逃がしてやりたい一心で吠えてくれてたのかと思うと切ない。『ねむれる森の…』とかでもそうでしたけど、言葉が通じない・意思の疎通ができない系は個人的にはかなりの恐怖です。ジョジョ5部のトーキングヘッズとかすげーヤだったなぁ…。

キルケーさんは魔女(?)なのに魔術とかじゃなくて、ポタージュとかココアとか何か飲ませないと動物にできないってのが微妙に怖さ半減してる気がしないでもないなぁ…と思ったんですが、元ネタも同じでした。じゃあしょうがないか。まあ魔女って本来修行した人間の女だからね…。奈っちゃんは私と同じでこってり系の飲み物が飲めない人と思われ。
ところで誰もつっこんでないけど、キルケーさん場面によって身長でかすぎだよ…。登場シーンで2m、隆くんを襲う前のシーンなんか4mくらいあるじゃないですか…。バランス的におかしいけど「でかい」というのはやっぱ単純に怖いですね!

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柿丸

柿丸
文化人類学的観点からマンガを研究したいただのマンガ好きです。データ収集が趣味。
ジャンプ歴10年でしたが2016.3に一旦卒業しました。
マンガの感想は基本的にネタバレです(どうせ古いマンガしか感想書かないので)。

【新刊追ってるマンガ】
アオイホノオ
おいピータン!!
大奥
カルバニア物語
きのう何食べた?
海月姫
たそがれたかこ
トクサツガガガ
ドリフターズ
ドロヘドロ
HUNTER×HUNTER
etc.